大阪欄間は、17世紀に発祥したと言われています。屋久杉や桐などの銘木を使い、天然の木目や風合いを活かした彫刻をほどこした大阪欄間。日本建築には、採光や通風といった実用的な側面と、部屋に品格を与えるという装飾的な側面との両面から、なくてはならないものとなっています。

大阪欄間は、大阪府にある22の工房により製作されています。それぞれの工房では、伝統工芸士が技術を伝承し、さらにその技術に磨きをかけています。

伝統工芸品というと、昔から継承してきた技術をただ守るだけと思う人もいるかもしれません。でも実際にはそうではありません。伝統工芸品も、人々によって手に取られ、実際に使われることがなくなってしまった時には、命の終りを迎えることになるのです。ですから多くの伝統工芸士は、自分の技術を、現代という時代に、どう生かしていけるのかを真剣に考えています。

欄間を製作するある伝統工芸士は、自分の工房を、オフィス街のすぐ近くに置いていいます。行き交う人々の雑踏が直ぐ側に感じられる、気ぜわしい場所。しかも工房はガラス張り。外から中を覗いていく人も少なくありません。でもそれは、欄間をもっとオープンで、若い人にも身近なものと感じられるものにしたいという、この伝統工芸士の考えによるものなのです。